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手術支援ロボ・ヒノトリ、22年上期国内シェア20%

右からメディカロイドの橋本康彦会長、浅野薫社長、宗藤康治副社長

30年度売上1千億を通過点に

 川崎重工業とシスメックスが共同出資する、医療用ロボットメーカーのメディカロイドは1216日、20208月に製造販売承認を受けた国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」に関する説明会を都内で開いた。同社・代表取締役の浅野薫社長執行役員の事業報告によれば、10月に消化器外科および婦人科への使用承認を受けたことで、保険適用の30術式の手術のうち22術式、手術数ベースで約9割をカバーしたという。22年度上期末の累積の市場導入台数は28台で、同社推計の単年度シェアは21年度が十数%であったのに対し、22年度が上期末の段階で二十数%と見ており、製造販売承認から2年で米Intuitive Surgical社の「da Vinci Surgical System」のほぼ独占であった国内の手術支援ロボット市場で、急速に勢力を拡大していることが窺えた。
 今後の展開として、23年度には呼吸器外科、その後、耳鼻咽喉科と心臓血管外科も申請し、30術式すべてをカバー。海外には10月にシンガポールに立ち上げたMedicaroid Asia Pacific Pte.Ltdを拠点に、シンガポール認証機関(HSA)と日本の薬事承認を適用した簡略審査を協議しており、23年度の市場投入を予定する。同様の仕組みのあるアジア各国でも適用を目指し、欧米市場に先駆けてアジア市場で早期の市場投入を狙う。
 浅野社長は「設立当初からの30年度売上1000億という目標を着実に達成するとともに、そこを通過点としてさらに発展させていきたい」と意気込みを語った。

2023110日号掲載)