日本物流新聞生産財と消費財の業界専門紙として半世紀を超す実績。
日本物流新聞社のWEBサイトでは、
ものづくりを支える工作機械、工具、ロボット、産業機器等の情報から、
ハウジングはじめ住まい・暮らしの様々なニュースをお届けしています。

検索

News

停電時も蓄電できる直流給電

ナカジマテックが導入した直流給電システム

じわり浸透、ナカジマテックは120kW導入

 太陽光発電の利用が工場や家庭で広がっている。だが、大規模な停電が起こった際、発電しないことがあるという問題が明らかになった。太陽光パネルで発電した電気(直流)を蓄電するには、交流電源を必要とするパワーコンディショナーを動かす必要があるが、その交流電源が得られないためだ。
 この問題を解決する直流給電システムを東京整流器(神奈川県川崎市)が提案しており、近年、稼働を止められない工場などに採用されだした。部品供給装置や機械部品を製造するナカジマテック(静岡県牧之原市)もその1社だ。同社が20199月までに導入した120㌔ワットの直流給電システムは国内最大規模という。太陽光パネルで発電した電気をパワコンを介さずに蓄電する(発電した直流電源で動くコンバーターを使用する)ことで、通常の直流→交流→直流の変換ロスがないのも特長。工場内にある高天井用40基を含むLED照明(6.7㌔ワット)と空調(8馬力×8台、20㌔ワット)の消費電力の約8割を賄えるという。ナカジマテックの小原照光社長は「当社は気候変動や脱炭素などの対応に力を入れており、社会貢献や地域貢献は創業者の理念でもある」とシステム導入の動機を話す。
 東京整流器の加藤章利副社長は「停電した時に使えない太陽光パネルはたくさんある。パネルメーカーさんは停電時にも電気は使えると主張するが、使えるのはパワコンに付いた1.5㌔ワット程度の特定のコンセントだけという場合がほとんど。これではあまりにも電力会社に依存しきっている」と話す。

2023225日号掲載)