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ナカトミ、エアコンの特注対応をスタート

(株)ナカトミ

元々はオーダーメイドで製作したというフォークリフト用クーラー

ユーザーの要望を形に

 冷暖房機器を展開するナカトミ(長野県上高井郡)が、このほどエアコンのオーダーメイドサービスを開始した。専用窓口を設け、サイズや冷房能力、電源の種類といった個別の要望に沿ったエアコンを製作する。すでに特注対応の実績も積んでおり、市販の冷房機器の導入が難しい現場の救世主となりそうだ。
 スポットクーラーや工場扇を展開する同社のもとには、「現場に合った冷房機器を個別に作れないか」というオーダーが舞い込む。そうした依頼に対し同社はこれまでも特注対応を行ってきたが、専用体制を組んでいたわけではないため対応できる件数に限りがあったという。
 そこで同社は社内体制を整備。今年1月からエアコンの特注オーダーを本格的に受け付け始めた。打ち合わせを通じてユーザーの課題やニーズを洗い出し、適した仕様のエアコンを個別に作り込む。特長は柔軟性の高さで、少量対応が可能なほか、競合他社が匙を投げる場合も多いという幅広い電源対応(100V200V〈単相/三相〉、DC12~60V)も行う。担当者は「ロット数などがネックとなり冷房機器の設置を諦めている人も一度相談をもらえれば」と呼びかける。
 これまで特注で製作した例に、消防法関連法規に適合したクーラーや小型DCクーラー、フォークリフト用のクーラーがある。運転室がオープンで電源供給にも課題があるフォークリフトは、元々エアコンの設置が難しく暑さ対策が課題となっていた。そこで同社はバッテリーで動く専用の小型DCクーラーを製作。振動対策も行い、のちに標準品として商品化している。
 狭いエリアを冷やすための小型エアコンを製作した実績もある。設備の一部に組み込まれるためサイズや重量、駆動音を抑える必要があったが、こうした規定をクリアしつつ必要な冷房能力を備えたエアコンを特注製作。ドレンに水が溜まらず排水が不要な気化式とすることでメンテナンスフリーも実現した。
 「他にもキャビネットに組み込む制御盤冷却用の小型エアコンなど、様々な用途の冷房機器を製作できる」と担当者。「建物の気密性が上がると室内温度も上昇しやすいが、全体空調よりも場所や用途に合わせた特注エアコンでピンポイントに冷却するほうがエネルギー効率が良いケースも多い。市販品では解決できない課題を特注で解決したい」と力を込める。

2023210日号掲載)