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YKK AP、24年問題へ物流戦略見直し

GTP活用で二次仕分けゼロに

 YKK AP928日、物流の「2024年問題」への対応の一環として、埼玉県加須市の「ESR 加須ディストリビューションセンター2」内に物流拠点「首都圏DC」を設置し、102日より稼働すると発表した。同日行われた報道向け説明会では、初導入となった棚搬送ロボットによるGTPGoods to Person)システムも公開した。
 従来、輸送コストの抑制を目的として、在庫保管型の物流センター「DCDistribution Center)」から、仕分け・荷さばきのみを行う通過型物流センター「TCTransfer Center)」へ移行を進めてきた。首都圏エリアへの製品供給も同様で、主に北陸の製造・物流拠点から首都圏TC(埼玉県杉戸町)を介して配送してきたが、24年問題と脱炭素化への対応が喫緊の課題となる中、DC機能を見直し需要地で適正に在庫管理をすることで、長距離・夜間輸送の削減とリードタイムを尊守した供給体制の強靭化を狙う。
 同社・執行役員の岩崎稔ロジスティクス部長は「現在、1200台ほど運行している輸送トラックのうち、約3割が長距離輸送(700㌔以上)。今回の取り組みに加えて、モーダルシフトなどを駆使してこれをゼロにしたい」とし、25年度のCO2排出量を22年度比で30%削減できるとみる。
 庫内作業においては棚搬送型ロボットを活用し、作業者のいる場所へロボットが在庫保管棚を運んでくるGTPGoods to Person)システムを運用する。約100方面もの輸送地別に荷合わせできる点が特長で、エクステリアの部品管理にかかわる作業時間を半減させられるとみる。同社のロジスティクス部の横井志朗技術開発企画室長は「二次仕分け工程をなくすことができるため、省力化・省人化の観点からメリットが大きい」と話し、稼働効率などを見て他の拠点にも横展開する可能性を示唆した。

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YKK AP・執行役員の岩崎稔ロジスティクス部長

20231010日号掲載)