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フコク、多彩な開先加工機と鋼材搬送ソリューション

BCM-12N型

 溶接時の強度や品質を確保するため、材料接合部を溶接前に適切な形状に仕上げる開先加工。その専用機を自社開発製品の販売及び世界有数の開先加工機メーカーとオフィシャルパートナーシップ契約を締結しているのがフコクだ。
 フコクが自社で開発を行う開先加工機「BCM」シリーズは、加工する板厚に応じた4機種をラインアップ。小型・軽量に設計された「BCM―mini2型」は、小さな鋼板はもちろん、大きな鋼板もキャスター無しで自走し開先加工する。適合板厚は6~12㍉程度で、特に5~10㍉厚のステンレス材加工で威力を発揮する。
 同社でもっとも出荷台数が多いというのが中型機の「BCM―12N型」。適合板厚は6~19㍉程度で、専用の走行台車(オプション)により大型鋼板の加工にも対応する。
 「橋梁、タンクなどのステンレス容器、建設機械、造船等、あらゆる業界で活用されているベストセラー機種でアメリカ・ヨーロッパへの輸出実績も一番多い」(同社)
 9~22㍉程度の中厚板の開先加工に威力を発揮するのが同じく中型機の「BCM―16N型」。「中厚板は従来プラズマや機械加工で開先加工を行っていたが、時間的にもコスト的に負担の大きな作業。BCM―16Nなら、これまで数日かかっていた加工を数時間で行える」(同)。こちらもオプションの走行台車の活用で大型の鋼板でも楽に自走加工できる。
 「BCM―20N型」は、30㍉以上の厚板加工向けの大型機。「近年、プラント、造船、建材メーカー、鉄鋼業界などでは32~40㍉といった厚板加工に対する開先加工需要が増えている。こうしたニーズに応えて開発した」(同)。
 BCMシリーズはいずれの機種も自走加工が可能で、作業者が押す必要がなく、軟鋼から、SM材、ステンレス、アルミ、チタン、高張力鋼など、溶接構造物に使用するほとんどの材質を加工できる。またカッターは、材質及び加工量によって異なるが、目安として約300㍍の加工が可能。カッターには15㍉の研磨代(けんましろ)があり、5回程度の再研磨が可能でコストパフォーマンスにも優れる。

フコク写真2.jpg

RIDGID社の「ポータブルベベラーB-500

 またフコクでは米リッジ(RIDGID)社のパイプ向け開先加工機「ポータブルベベラーB―500」や独BDS社の全自動開先加工機「AutoCUT500」やポータブルタイプの「SKF25」など幅広い機種を取り揃えている。
 「当社のBCMシリーズは操作が簡単で使いやすさが売り。その実力を感じて頂くため、デモ機の貸し出しも行っている」(同)。

■大型鋼板の搬送を最適化

 同社では大型鋼板など運びづらい重量物の搬送に最適な「バキュームリフト」の開発・販売も行っている。無動力式の「JVDバキュームリフト」は、電源等一切の動力を必要としない真空吊り具。
 S型(シングル)は機械加工や製缶加工に適しており、石材やガラス材など多彩な材料を安全で確実に搬送する。M型(標準マルチ型)は2個以上のパッドを持つタイプ。パッドが横一列の配列となっており、横幅のたわみが少ない鋼板の搬送に適している。さらに定尺鋼板型は、大型の鋼板を水平かつ安定したバランスで搬送が可能。建築向け資材の加工はもちろん、プラズマ切断機やレーザー切断機、タレットパンチなど板金機械へのテーブル搬送にも向く。
 また、電動式のバキュームリフトは独自の技術による数々の安全を考慮した真空ポンプユニットを搭載し、安全性と作業性を両立。最大12㌧以上の搬送を可能とし、造船所や製鋼所、橋梁建設現場、プラントメーカーなどに採用されており、大型鋼板の安全・確実な搬送を担っている。

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JVDバキュームリフト(シングルタイプ)

2023610日号掲載)