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日進工具、独自の大きな底刃Rで高能率加工

日進工具(株)

ボールエンドミルより加工時間56%削減

 日進工具がこのほど上市した高能率レンズ形3枚刃エンドミル「MLFH330」は、5軸加工で主に用いられるボールエンドミルよりもピックフィード(切込み間隔)を大きく設定できる独自刃形状をもつ。
 一般的にボールエンドミルの形状は「ボールR=外径/2」という制限がある。そのため小径サイズの工具ではピックフィードを大きく設定できず、効率的に加工できない課題があった。MLFH330はレンズ形の「底刃R外径」を実現。外径に対しRを大きくすることでピックフィードをボールエンドミルより大きく設定できるようにした。
 例えば、φ62枚刃ボールエンドミルの場合R3であるが、MLFH330の場合、同じくφ6であってもR8。つまり、φ16の工具と同じRサイズを確保できる。大きな底刃Rでピックフィードを大きくとることで高い加工能率を実現する。
 一方で、大きく削れるということは切りくずも大きくなり、排出性が悪いと切りくずが詰まってしまう。本製品は切りくずの大きさに対して十分な排出空間を設けた独自の工具形状をしており加工を阻害しない。
 また、本製品は3枚刃を採用しているため、一般的な2枚刃ボールエンドミルよりも送り速度も高められ、Rサイズの拡大と併せて高い加工能率を寄与する。ヘッドアップディスプレイ向け金型など加工面積の広い緩斜面や平面の加工に向き、同社が行った加工デモでは加工時間を約56%削減。加工時間短縮による工具寿命の向上など、生産性とコスト両面でメリットを発揮する。

2024325日号掲載)