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サンドビック、カーボンNから超硬工具リサイクル100%へ

サンドビック(株)

アルミ合金から独自カッタで「ステップ」加工

 サンドビックのコロマントカンパニーは1110日、東京・港区のスウェーデン大使館でセミナーを開いた。同社のカーボンニュートラルへの取組みや切削加工ソリューションを発表し、生産財メーカーや商社などから45人が聴講。対面でのセミナーは3年ぶりという。
 スコープ13に渡りエネルギー消費の削減に取り組んでいる同社は、CO2排出削減だけにとどまらず安全性やフェアプレーのいっそうの向上を進める「グリーンファクトリー」を目指す。2015年から取り組んでいる超硬工具のリサイクルについて、河野史尚ストラテジックリレーション部マネージャーは「販売した超硬工具の100%重量のリサイクルを2025年までに達成することを目標に設定した(現在は60%ほどの達成)」と明かした。
 電気自動車(EV)化への対応としてアルミ合金加工の取組みも紹介。エンジン車からEVへ移行するとバッテリーに加え安全・アシスト装置などが増えることもあって車体重量は増加傾向にあり、「現在より4割ほどアルミの比率が増加する」と加藤尚紀アルミニウムジャパンマネージャーは話す。加藤氏が紹介した「ステップテクノロジー」は、チップをショルダーカッタの円周上でなくらせん状に並べ、垂直方向には隣り合うチップを数十ミクロンの段差をつけるもの。「切込み量を極小に分割することで刃数を減らして工具寿命を長くすることができる」メリットがある(表参照)。フランスの開発部隊が20年以上前に始めたもので、グローバルな展開はここ数年という。

20221125日号掲載)