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京セラ、リアルな触感を再現

3D射出成形と融合、23年量産へ

 京セラは、リアルで多彩な触覚を再現する触覚伝達技術を進化させ、産業機器、車載部品向けに提案する。電子部品を搭載した基板を3D射出成形でカプセル化するTactoTek社の技術「IMSE」を融合させた。今年4月にフルライセンスを取得しており、来春にも試作向けの製造ラインを構築する計画だ。
 両社が保有する特許技術を組み合わせた「HAPTIVITY i」として発表した。触覚伝達技術を持ったさまざまなモジュールの薄型・軽量化、部品点数の削減、自由な設計によるシームレスデザインを実現する複合技術として、2023年の量産を目指す。
 提案内容は、従来の機械式ボタンを代替するというもの。ジョグダイヤルやオーバヘッドコンソールのように、複数のサプライヤーから部材を購入して組み立て、性能の調整が必要だった従来技術に対し、HAPTIVITY iは「加飾、照明、タッチスイッチ、圧力センサー、触感アクチュエータなどを一つのモジュールとして提供できる」(京セラ)という。
 スマートフォンやタブレット端末とは違ったボタン操作に近い触感を再現することで、誤動作を防止する効果もメリットに挙げる。京セラは触覚伝達技術の市場規模について、2020年の3700億円に対し、2030年に6千億円まで成長すると見ている。「そのうち300億円はIMSE関連が占める。この分野で100%シェアを狙っていきたい。京セラ製品にも順次展開していくことになるだろう」とした。

20211125日号掲載)