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パナソニック、青色レーザ加工機の実用化へ

実証拠点開設発振器は22年度発売

 パナソニック(スマートファクトリーソリューションズ)は、青色レーザ加工機の実用化に向けた動きを加速させる。121日、大阪府豊中市内の同社事業所にプロセス実証センター「Advanced Material Processing Connect Lab」を開設。2022年度には400㍗クラスの発振器を発売する計画だ。
 開発中の加工機は、ダイレクトダイオードレーザ(DDL)の波長合成技術を採用。ビーム品質を保ちながら、高出力のレーザ発振ができる。熱伝導性溶接、キーホール溶接、切断加工において、ポロシティ(空洞・気泡)やスパッタの発生抑制、熱歪みの少ない加工、深い溶け込みによる強い接合強度を可能にした。
 銅材料に対して光吸収率が高く、ビーム品質も優れていることから、電子機器や電子デバイスの狭隘部に向いている。小スポット径で周囲への熱影響が少なく、深い溶け込みの溶接ができるためだ。
 DDL事業開発センターの大塚隆史所長によれば、レーザ発振の光出力ヘッドの発振端面と加工対象の距離を十分に確保できるリモート加工も可能なことから、「量産工程での生産性向上も期待できる」という。
 実証センターにはプロセス検証機2台(出力400㍗・ファイバー径50ミクロン)を設置。さらに21年度末までに出力が㌔ワット級の検証機も導入する予定だ。
 スマートファクトリーソリューションズ社の秋山昭博社長は、「お客様にワークを持ち込んでいただき、実証試験を進めていく。国内で加工品質をつくり上げ、海外へ展開することになる」と話した。発信器販売の見通しについて、「EVの普及によって変化する可能性もあるが、2030年には500台を販売したい。電流、電圧などのデータをネットワーク経由でシステム連携できるIoT対応機として考えている。加工機のニーズに対しても、パナソニック内で連携して対応する」と回答した。

20211210日号掲載)