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国際プラスチックフェア、6年ぶりに開催

オーエスジー(株)

ボンネットやルーフサイドレールにCNFを採用した環境省のコンセプトカー

環境に配慮した素材や加工機

 プラスチック・ゴムに関する原材料、機械、製品、リサイクル機器、受託加工などを紹介する「第10回国際プラスチックフェア(IPF Japan2023)」が122日までの5日間、千葉市の幕張メッセで開かれ、前回を75上回る853社・団体(2572小間)が出展した。3年に一度の開催だが、コロナ禍を受けて実に6年ぶり。148千人が来場した国際ロボット展と会期が重なった影響もあり、来場者は前回より5千人ほど少ない38436人だった。
 身の回りの日用品から自動車、航空機、生産機械にも使われるプラスチック。機能強化品や複合材の普及でその加工のあり方も変わりつつある。「耐熱性などを付与したスーパーエンプラも登場し、情報収集を兼ねて参加した」と言うオーエスジーは初出展。「樹脂加工には従来は非鉄金属用刃物を提案してきたが、樹脂の性質が変わり刃がもたなくなってきた」と話す。出品した樹脂・非鉄用の大径ディスクカッタ「PFDC」(4枚刃と5枚刃、今年発売)はアルミボディの軽量で、主軸30番のマシニングセンタでも使えることを訴えた。
 ソディックは出展を機に発売した射出成形機「LP20EH4」を紹介。立上り射出加速度15.3Gは業界最高クラスで、4個取りコネクタを成形して見せた。環境性能もウリで、ランナー粉砕材を92%の高配合で再利用できることも示した。
 研究・試作向けの同時5軸湿式加工機(機械サイズ500×800×1600㍉)を参考出品したのはキヤノン電子。100V電源で動き、主軸は毎分3万回転でチタン加工にも向くという。
 植物由来の次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)の社会実装を支援する環境省は、CNFを用いて自動車の軽量化を目指す「NCVNano Cellulose Vehicle)プロジェクト」(2016~19年度)の成果を試作車を展示して紹介した。22の大学や研究機関、企業などが関わった事業で、CNFはボンネットやルーフサイドレール(ともに配合比100%)、フロア部材(同30~50%)、バッテリーキャリア(同20%)などに採用された。試作車は16%の軽量化と11%の燃費向上、8%CO2削減が達成できたという。

国際プラスチックフェアオーエスジー.jpg

(写真=樹脂表面をきれいに保って加工できるオーエスジーの大径ディスクカッタ「PFDC」)

20231225日号掲載)