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デロイト トーマツ、GX加速を支援

将来のエネルギー流動予測

 デロイトトーマツコンサルティングは、次世代グリーン燃料や化石燃料などの国際的な流動の将来像を定量的に予測するエネルギーシミュレーションモデルを開発。官公庁、自治体、資源、エネルギーなど関連産業における戦略策定を支援するサービスを提供する。
 同社が開発したモデルは、世界を30の主要な国や地域に分け、各種シナリオのもとで最適化した計算を行い、地域内の電源構成や国際間エネルギー流動の将来像を年度ごとに分析予測するもの。
 EUや米国エネルギー省などのエネルギー政策でも活用実績のあるIEA(国際エネルギー機関)のシミュレーション開発環境「TIMES」を基礎に採用し、モデル内に、次世代グリーン燃料、電気自動車、蓄電池、CCUS(二酸化炭素の回収、再利用、貯蓄)といったGXに必要となる次世代技術に関する情報を蓄積している。
 「本エネルギーシミュレーションモデルを活用し、年度別の国際間のエネルギーの流れや次世代エネルギー(水素・アンモニア等)と化石燃料(原油、石炭等)の需要予測、次世代エネルギーの製造コストや輸送コスト、複数の次世代エネルギー技術を組み合わせることによる影響、年度別の主要国の将来の電源構成、次世代技術の普及量といった予測が可能」(同社)
 同モデルは、20206月に発表した日本国内のエネルギー需給構造を細かな粒度で予測可能なシミュレーションモデルのグローバル版。日本国内モデルとグローバルモデルを組み合わせることで、地政学的な動きの中で日本へ波及的にどのような影響があるかといった分析検討も可能にする。
 「今後GXが進展していく中で、水素やアンモニアといった次世代グリーン燃料の国際的な輸出入が増加すると予想されている。しかし、『具体的にどの地域で製造するのが最適なのか?』、『国際的な流動量がどれくらいなのか?』といった問いに対して、定量的かつ合理的に回答することは難しい状況だった。今後、当社は両モデルを活用することで、グローバルでビジネスを展開する日系の資源・エネルギー関連企業等に向けた研究開発戦略を含む中期経営戦略、サプライチェーン構築戦略などの支援や、官公庁のエネルギー・資源政策の検討におけるコンサルティングサービスなどに注力していく」(同社)

20231225日号掲載)