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Green×Digitalコンソーシアム、サプライチェーン上のCO2データ連携に成功

 Green×Digitalコンソーシアムは84日、サプライチェーン上でCO2データ連携を行う実証実験に成功したと発表した。「共通の方法」と「フォーマット」を用いサプライチェーンの上流から下流までCO2データを算出(見える化)する試みだ。
 現在、主流のScope3算定方法では活動量(金額、重量、数量など)と二次データ排出原単位を掛け合わせて排出量を算定する。稲垣孝一氏(日本電気)は「この方法だと企業がサプライチェーンのCO2を減らそうとすると金額を減らさないといけない。またサプライヤーが努力してCO2を削減しても努力が反映されない」と指摘する。そこで「サプライヤーがCO2を減らした分を顧客に引継ぎ集計していけないか? サプライチェーンでモノのやり取りのように企業間でCO2のデータをグローバルにやり取り」できれば課題が解決できるとみる。
 今回、32社参加という大規模な実証実験を行い「CO2可視化フレームワーク」でのCO2データの算定と、データ連携のための技術仕様に基づくCO2データのソリューション間連携を実現。素材から製品に至るまでのCO2データを算定し、異なる企業・異なるソリューション間で受け渡すことで、サプライチェーン上の全ての企業の共通認識のもと、最終製品のCO2データを算出(見える化)することに成功した。
 稲垣氏は「実証で成果が出たので今年度はフレームワークや技術仕様をワーキンググループだけでなくいろいろな業界で活用できるように広めていきたい。PACTなども含めバージョンが変わったり、世の中の動きやルールも変わるのでタイムリーに対応していく。変化を適切に反映させて常に最新のものにしていく」とし、今後は社会実装フェーズへ移行していく認識を示した。

2023825日号掲載)