日本物流新聞生産財と消費財の業界専門紙として半世紀を超す実績。
日本物流新聞社のWEBサイトでは、
ものづくりを支える工作機械、工具、ロボット、産業機器等の情報から、
ハウジングはじめ住まい・暮らしの様々なニュースをお届けしています。

検索

News

国際物流総合展2021より、注目集めた省力化・環境改善提案

テザーハンドルの向きや角度を検知して作業者の後を追従するCoRoCo。記者も操作してみたが、旋回や停止も滑らかで搬送の負担を全く感じなかった

人を追従する搬送ロボなど

 39~12日の4日間、Aichi Sky Expoで開催されたアジア最大級の物流専門展示会「国際物流総合展2021」(主催〈公社〉日本ロジスティクスシステム協会ほか7団体)。会場ではAGVやピッキングロボットを筆頭に数多くの自動化ソリューションが披露されたが、一方で省力化や環境改善につながる製品も多くの来場者の注目を集めていた。ここではそんな製品群をいくつか紹介したい。
 「製造業の工場、特に中小企業の方に使っていただきたい」。東京貿易マシナリーがそうアピールしたのが、運搬作業に特化したロボット「CoRoCo-S100」だ。使い方はひも状の「テザーハンドル」を持って歩くだけ。搭載したTFS技術(テザー・フォロイング・センサ技術)によってテザーの引き出し量と引き出し角度を検知して人の後を自動で追従し、人の動きに合わせ停止や旋回も行う。テザーを繋ぐことで大量連結も可能で、1台あたり100㌔グラムまでの運搬が可能という。
 「とにかく操作が簡単なので、導入のハードルが低い」と、東京貿易マシナリーの担当者。「似たような設備としてカルガモ式の自動追従型AGVがあるが、そういった機器と比べ価格を大幅に抑えている。一般的なAGV1台分の費用で複数台のCoRoCoを導入できる」とアピールした。
 一方、ミズノが披露したのが、スポーツ用品開発のノウハウを活かしたワークウェア群だ。例えばゴルフウェアに近いカッティングをウェアに施すことで腕の上げ下げを容易にしたり、体が発する水分を吸収して熱に変える「ブレスサーモ」と呼ばれる素材を採用したりと、「設計・素材の両面で動きやすさを徹底的に追求している」という。ワークシューズなどを含めた同社のワークビジネス事業は直近3年間で売上を約2倍に伸ばしており、「直近でも物流・運輸業界向けのワークウェアが順調に引き合いを伸ばしている」(担当者)。ほか、前足部を薄型にしたことでつま先を曲げやすく、「素足感覚に近い」というワークシューズ「ALMIGHTY TD11L」も出品した。

2021410日号掲載)