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ブラザー工業、コンパクトMC新機種発表

ブラザー工業(株)

工程集約・高生産性を実現

 ブラザー工業は517日、新製品となるユニバーサルコンパクトマシニングセンタ「U500Xd1」を刈谷工場内テクニカルセンターでお披露目した。
 部品点数の減少に伴うパーツの一体化や加工ワークの複雑化が顕著なEV向け部品加工などを視野に入れて開発された同機種は、1560×2026㍉メートルとコンパクトな筐体ながら、加工および治具エリアを広く確保。φ500傾斜ロータリーテーブルはA軸及びC軸ローラーギアカムを採用。高い保持力とバックラッシレスによる高速・高精度割り出しを実現する。また傾斜軸であるA軸はマイナス30度から120度まで旋回可能なため、幅広い加工に対応する。
 新開発のドラム式ATCは最大28本の工具を収納。高速工具交換を継承しつつ、従来の14本マガジンと同じ機械幅を実現した。円テーブル上面から主軸端面まで445ミリメートルとZ軸方向に広く加工エリアを設けたほか、Y軸移動範囲を傾斜軸中心からずらすことで傾斜軸が90度に割り出したときの加工エリアも十分に確保した。
 新制御装置「CNC-D00」は操作盤をタッチパネル式にし、新たなユーザーインタフェースを採用。段取りや加工における関連機能を集約し、視覚的に分かりやすいサポートアプリを搭載、オペレータの使い勝手を向上させた。
 「機電一体開発による高生産性はもちろん、加工不良を未然に防ぐ保守機能、低エア消費、低電力消費などトータルで『地球に優しい機械』に仕上げている」(同社)
 同日行われた同社事業説明会にはマシナリー事業部・産機事業担当の星真常務が登壇。2021年に565億円だった売上高を24年までに1000億円にまで拡大する、という野心的な目標を掲げた。
 「メインとなる市場は中国、インドをはじめとしたアジア圏と国内市場。脱炭素化に取り組むお客様に、当社の強みでもある高生産性と省エネ性能を両立した製品を訴求していきたい。顧客基盤の拡大としては、EV化に伴う自動車産業の加工ワークの変化を好機と捉え、部品加工ソリューションとして提案し本格攻勢をかける。また非自動車用途への開拓も進めていきたい。そのためには商社・販売店の皆様の協力は必要不可欠。よりいっそう連携を深めて拡販に取り組んでいきたい」(星常務)

2022525日号掲載)