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岩崎電気、促進耐候性試験装置を刷新

アイ スーパーキセノンテスター XER-W85。従来よりも機体幅を狭め省スペース化した

省スペース性・環境性能を向上

 岩崎電気は915日まで東京ビッグサイトで開催された「第17回総合試験機器展」で、101日発売の促進耐候性試験装置(ウェザーメーター)2機種「アイ スーパーキセノンテスター XER-W85」「アイ スーパーUVテスター SUV-W171」を初めて公開した。
 促進耐候性試験装置は、新たな製品や素材の開発段階に寿命や経年劣化状況を想定または確認するためのもの。数年単位での屋外暴露試験に相当する屋外環境因子(太陽光、温度、湿度、降雨)を人工的に作り出すことで、短期間で製品・素材の変化を試験・評価できる。
 新機種XER-W85は太陽光に近似した分光エネルギー分布を持つキセノンランプ式を採用したモデルで、照度、温度、湿度変化による幅広い試験条件に対応できる点が特長。設計から見直すことで従来製品よりも約28%サイズダウンするとともに、温湿度制御を最適化し消費電力を約10%削減した。加えて、温度コントロールに使用する冷媒をR-404AからR-449Aへと見直すことでGWP値(地球温暖化係数)も67%削減(GWP1282)した。
 リニューアルのSUV-W171は、屋外暴露10年分を約1000時間(約42日)で再現できる紫外線ランプ方式。現行装置と比べ装置サイズを5%縮小させながらも、有効照射面積を20%拡大し、照射面積内の照射均斉度も向上させたため、より多くのテストピースを均一に試験できるようになった。XER-W85と同様に設計を最適化することで、エネルギー使用量を20%削減。加えて、装置内蔵のチラーをなくすことでフロンレスとし、環境負荷軽減と管理の簡便化を実現した。
 今後について同社・上席執行役員の上原純男 光・環境事業部長は「多品種少量化が進む中で、素材や製品の開発速度が上がっており、促進耐候性試験装置の需要は高まっていくとみている」とし、従来機種からの置き換えなどに期待を寄せる。

2023930日号掲載)