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マークフォージド、金属3Dプリンティング事業強化

デジタルメタルのパウダージェット方式で造形された時計部品。位置あわせに使う極小のピンも造形できる

試作から量産まで対応可能な体制整う

 マークフォージド・ジャパンは1025日、8月に米Markforgedが金属3Dプリンタを手がけるスウェーデンDigital Metal(デジタルメタル)を買収した狙いについて、都内で会見を開き説明した。
 マークフォージド・代表取締役社長のトーマス・パン氏は「AMAdditive Manufacturing:積層造形)は設計自由度が高いため要求度の高い課題をイノベーティブに解決できる可能性がある一方で、樹脂・セラミック素材では対応できない課題が多く、金属素材を求める声が年々高まっている」と金属AMの可能性に期待を示した。
 マークフォージドは既にFFFFused Filament Fabrication:熱溶解積層)方式の金属3Dプリンタ「Metal X」を販売しているが、デジタルメタルは金属粉末に液体結合材を噴射して固形化するバインダージェット方式を採用する金属3Dプリンタ「DMP/PRO」シリーズを有しており、同社を買収することで製品ラインナップを拡充したことになる。
 Markforged・メタルプロダクト統括マネージャーのロス・アダムス氏は「初心者でも使いやすいMetal Xが金属3Dプリンティングの民主化マシンだとするならば、デジタルメタルのバインダージェット方式3Dプリンタは高速・高精度で、使い方によっては1~100万個ほどの量産ができるのが特長」と述べ、今後、金属3Dプリンティングでの部品製造が自動車・医療分野などで広まると見込むことから、同社の掲げる「分散型ものづくり(Distributed Manufacturing)」実現に向けたラインナップ強化の意義を強調した。

20221110日号掲載)