日本物流新聞生産財と消費財の業界専門紙として半世紀を超す実績。
日本物流新聞社のWEBサイトでは、
ものづくりを支える工作機械、工具、ロボット、産業機器等の情報から、
ハウジングはじめ住まい・暮らしの様々なニュースをお届けしています。

検索

News

オーエスジー、多品種少量生産を実現するスマート工場

オーエスジー(株)

新拠点「NEO新城工場」お披露目

 オーエスジーは422日、NEO新城工場のマスコミ向け見学会を開催した。同工場は20205月の竣工だが、コロナ禍の影響もあり今回が初のお披露目となった。
 同社のマザー工場となる新工場では超硬ドリル、超硬タップ、ハイスドリル、ハイスエンドミルを中心に月間60008000ロット、70万本の生産を行う「超多品種少量生産」を実現している。
 「当社が長年培ってきた匠の技や研削加工技術と最新のデジタル技術を融合させ、生産性とアウトプットの最大化を目指している。加工の見える化で加工機ごとの稼働率や生産スケジュール、生産状況、流動数といった情報を収集し、生産の無駄を省きつつ状況に応じた最適な組み入れを行うことで標準品、特殊品ともにリードタイムの短縮を図っている」(石川則男会長)
 加工された製品は引き当て材料、加工履歴とともに測定値を品質情報としてサーバーで一元管理しトレーサビリティを確保。また各設備にはデジタルによる予兆保全体制が敷かれており、各工程での高品質・高能率生産を実現する。
 「多品種小ロットでも世界最強の競争力を持つのがNEO新城工場の目標。生産管理、生産技術のメンバーが設備稼働率の向上を目指して意見交換を行い、日々アップグレードしている。2020年の竣工時に比べさらに効率化が進んでいる」(大沢伸朗社長)
 オフィスエリアはフリーアドレスを採用。役職や部署に囚われることなくフラットな職場環境にし、風通しがよく柔軟な発想を引き出す空間となっている。また社内にはアメリカ、ドイツ、台湾など同社海外拠点の標準時刻を刻む時計が設置されているほか、会議室には世界各国の国名を冠するなど、グローバルに展開する同社ならではの取り組みも行われている。
 新工場のキャッチフレーズは「ゼロワンファクトリー」。これには従来の同社のやり方ではなく、ゼロから考え1を生み出すという意味合いが込められている。
 「当社では社員が新しいことにチャレンジし、既存の慣習から脱却してゼロから革新的な製品を生み出す文化の醸成に努めている。既存のノウハウとデジタルを融合させ自社の生産体制を新たなレベルに引き上げていくとともに、顧客に寄り添ったモノづくりを推進していく」(石川則男会長)

2022515日号掲載)