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米・プロロジス40周年、所有・運営資産29.4兆円に

日本法人の山田御酒会長

国内は24年問題で中継地点に需要

 今年で40周年を迎えた米国の物流施設開発大手・プロロジス。日本法人の山田御酒会長は112日、大阪で記者向けに説明会を開催し、物流施設市場の動向と同社の展開を語った。
 同社によればプロロジスが所有もしくは運営している資産はグローバルで29.4兆円(1USD=149円換算、9月末時点)。同社の物流施設に保管された物品の総額は世界のGDP2.8%を占めるという。
 世界のEC化率はコロナ禍の3年間で急伸したが、同社は今後も毎年1%程度のペースで伸長し、これが物流施設需要のけん引役を果たすと見る。「多品種を在庫保管し個配するECは、小売りの約3倍の物流施設面積を必要とする。またサプライチェーンに異常をきたす事態が頻発したことで、世界全体で在庫を積み増す動きがある。これにより世界全体の在庫は現状と比べ5~10%増えるとみており、今後も新たな倉庫需要が増えるだろう」(山田会長)
 同社は国内では113棟の物流施設を開発しているが、山田会長は「国内の先進的物流施設の供給は、24年は間違いなく23年より減り、当面は23年がピークとなるのではないか」と見通す。とはいえ需要は引き続き底堅く推移する見込みで、その背景にあるのが老朽化した物流施設の更新需要だ。「1981年以前に建てられた旧耐震基準の倉庫の更新需要が、コンスタントに出てくる見込み。また日本のEC化率は足元で10%を超えたといわれるが、米国や英国と比べまだ低い水準。今後数年で15%~20%に伸長することは十分考えられる」とした。
 目前に迫る「2024年問題」にも言及した。従来は1人のドライバーが担っていた施設間の輸送が今後は難しくなり、「一日に移動できる距離の限度が往復360㌔程度になる」(山田会長)ためだ。「東北を例に挙げれば、仙台を拠点に東北6県をカバーすることが今後は難しい。中継地点としてちょうど良いのは盛岡で、我々はここに東北最大の物流施設を建設中だ。他にも東海や岡山などが注目の地域で、近い将来物流のハブになる可能性がある。我々も岡山や東海で施設の開発を進めている」とする。

(20231125日号掲載)