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ダッソー・システムズ、来年1月にシャーレスCEO退任

トップの科学・工学への理解が企業成功の鍵

 仏Dassault Systèmes(ダッソー・システムズ)の日本法人は117日、都内でイベント「3DEXPERIENCE FORUM Japan」を開催した。同日、2411日付けで退任するダッソー・システムズ会長兼最高経営責任者(CEO)である、ベルナール・シャーレス氏が報道陣向けに説明会を行い、同社で過ごした40年(内CEO在任期間は28年)を振り返った。
 日本経済の停滞について、「日本の企業の皆様を尊敬している」と前置きをした上で、「日本だけでなく先進国の企業のトップは時間が経つにつれてエンジニアリングに対する感覚を失い、ビジネスマンになっている。中国やインドなどではトップもサイエンスやエンジニアリングに深い知見を持っている。転換を起こすには企業のトップも変革に関わっていかなければならない。トップがビジネスをもっと深く理解する必要がある」と述べた。
 産業分野ごとのビジネスの性質の違いについても触れ、自動車業界がEVメーカーであっても「非常にイノベーションがゆっくりで保守的な業界である」ことに加えて、消費者の需要を満たそうとするため「環境面から見ると非常にパフォーマンスの低い製品が一般的になっている」と説明。最も進歩が見られる分野は「解決策が見えないセクター」であるとし、同社が戦略的に新しいプレーヤーに製品提供をしてきたのも、同社システムをよりクリエイティブに使う方法を知るためだと説明した。
 後任のパスカル・ダロス氏については「この20年間一緒に仕事をしてきているので、十分に準備が整っていると思う」とし、既に作成済みの2040年に向けたビジョンに基づいて会社を育てていくことにもサインをしているという。最後にシャーレス氏は「顧客にこれからは友人として会いに行ける。人生がいよいよ楽しくなってきた」と笑顔で話した。

(20231125日号掲載)