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トラック協会、燃料価格高騰による窮状訴える

安定した輸送力確保 目指す

 トラック燃料である軽油の価格が高騰し、トラック業界の経営に大きな影響を及ぼしている(軽油価格が1㍑当たり1円上昇するとトラック業界全体で154億円の負担が増すという)。(公社)全日本トラック協会が調べたところ、この1年間で軽油価格は1㍑当たり30円以上上昇し、費用負担は4620億円以上増したという(1社当たり約770万円の負担増)。
 燃料を多く使用する長距離輸送を行う事業者ほど影響は大きい。また「業界の99%以上が中小・零細事業者であるため、荷主に対し燃料高騰分の転嫁を依頼しても受け入れてもらいにくい」と協会は実態を明かす。
 そこで政府は取引事業者全体のパートナーシップにより、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分を適切に転嫁できる環境を整備しようとしている。昨年1227日、「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化会議」を開催。本会議には全日本トラック協会の坂本克己会長も出席し、業界の窮状を訴えた。政府は本会議を受け、「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」を策定。あわせて公正取引委員会でも違反行為情報収集フォームの設置や下請法における「買いたたき」の解釈の変更を行った。
 トラック協会は先月、国土交通省と連名で荷主企業・団体約45千社に対し、「燃料価格高騰に伴う燃料サーチャージ制の導入について」の文書とともに、燃料サーチャージ制の導入に関するパンフレット、標準的な運賃の告示制度に関するパンフレットを送付。あわせて荷主・一般生活者向け専用ページを開設し、125日から1カ月間(予定)のYahoo!JAPANページへのインターネット広告を掲載。燃料価格高騰によるトラック運送事業者の窮状を理解してもらうとともに安定した輸送力の確保を目指す。

2022225日号掲載)