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岡本工作機械、研削盤向け新ソリューション続々

(株)岡本工作機械製作所

5軸CAM、導入容易な機上計測

 岡本工作機械製作所はMECT2021において、研削盤向けの最新ソリューションを発表した。
 「これまでに無かった動きを研削盤で実現した」という「GRIND-SCOPE」は超精密仕上げの複雑加工の自動プログラミングを実現した、自社開発の35軸研削CAM。超硬やセラミックなど砥石でしか加工出来ない材質の非球面・異形状ワークの研削を可能にする。
 「昨今、自動車のボディ、パーツは意匠性の高い複雑な形状になっているが、こうしたボディの金型製作に向く」(同社技術開発本部・西上和宏氏)
 製作したいワークのCADデータを取り込めば自動でプログラミングを行える。またシミュレーションで事前に砥石干渉チェックを行えるほか、グラフィカルな3D画面でのチェックも可能だ。搭載可能機種は3CNC制御のスペックが必要。またCAMソフトの運用には別途PCCADが必要となる。
 感覚的な機上計測が行えるオプション「Quick Touch」は、実際の生産現場の要望から産学連携で開発された新しい計測システム。「これまで機上計測はコストが高いから導入できない、計測プログラムが作れない、スタイラスが折れたら怖いから使っていない。といった声が多く聞かれた。Quick Touchはそうした不安をすべて解消する」(西上氏)という。
 専用プログラムは不要で、直感的にチャック上のワークに測定器を当てるだけで画面上に数値が反映される。簡単に交換できる構造となっている測定用のスタイラスは、「切削工具一本と同程度の価格帯に抑えた」といい、導入時及びランニングコストを大幅に抑える。「精密測定の前に機上測定を行うことで次工程をスムーズにし、不良品を大幅に削減する。また、砥石径を計測可能なエアセンサによって自動サイクルにも対応できる」(西上氏)。
 デモンストレーションでは、AIが自動で加工に最適な砥石を選定するソフトも披露。加工に必要な砥石の有無から発注までをかんたんに行えることをアピールした。

20211110日号掲載)