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オークマ、「超重切削」が可能な立形旋盤

オークマ(株)

難削材向け、新主軸を採用

 オークマは、立形CNC旋盤「VT3000EX」を開発し、来春から発売する。最大加工サイズはΦ1000×高さ1000ミリ(積載重量2000㌔グラム)。難削材加工で「並外れた生産性を実現する」機種として、エネルギー、航空・宇宙、建設機械市場などからの需要を見込む。標準仕様の販売価格は6750万円に設定した。
 チタン、インコネル、ステンレスなど、強度が高く、耐熱性や耐食性に優れた被削材を想定して製品化した。「超重切削を可能にする」ために新主軸を標準搭載。最大出力55キロワット(従来機比18倍)、最大トルク5310N/m2倍)、軸受内径260ミリ(1.3倍)に設計した。
 切削負荷を強固に支える幅広なガイドスパンを採用。従来機と同等のフロアスペース(幅4317×奥行3769㍉)ながら、X軸で1.4倍、Z軸で1.2倍に広げた。36本の工具を装着できるツールマガジンも標準搭載することで、難削材加工でも長時間連続運転が可能に。工具交換時間を30%短縮し、生産性を高めた。
 オークマが発表したデータによれば、インコネル718の切削能力は従来機比2倍の6.7平方ミリ、加工時間は1340秒から642秒に縮まっている。加工時間の大幅な短縮で、消費電力やCO2排出量の削減を図る効果も。荒加工1サイクルあたり3.1㌔キロワット時(32%削減)、1台の年間排出量10トン(32%削減)削減できるという。
 切粉の堆積を抑制する最適な機内構造として、切粉落とし口を15倍に拡大し、ステンレス製シュータも採用した。「大きな切粉が大量に生じる超重切削においても長時間安定稼働を実現する」としている。

20211210日号掲載)