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ジェイテクト、中型円筒研削盤の新シリーズ

中型円筒研削盤「G3シリーズ」の、高精度小ロット加工に向くタイプL

 ジェイテクトは1013日、主力の円筒研削盤から中型機の「G3シリーズ」を発表した。同社は今年2月に円筒研削盤のリニューアルを発表しており、小型機の「G1シリーズ」を4月に発売している。G3シリーズはそれに続く第2弾で、量産に向く「タイプR」や、高精度な単品加工に対応する「タイプL」など用途に合わせた5つの機種を用意。5タイプ合わせて年間300台の販売を目指し、118日から開かれる「JIMTOF2022」でタイプLの実機を出展する。
 G3シリーズのうち、タイプLはシャフトやスピンドルなどの単品研削に向く。熟練作業者の減少を受け、「誰でも簡単、熟練加工」をコンセプトに開発。変形と熱変位の複合解析で設計を最適化したベッドを採用し、変形や熱変位、振動を極限まで低減した。同社製の低振動軸受を採用し、寸法変化を従来機種比30%低減。サーマルマネジメントシステムを搭載し、熱対策に加え砥石の摩耗量を正確に把握することで寸法変化を±1.5マイクロm/8hに抑える。
 一方で操作性も高めた。独自の「らくらく自動決定機能」を搭載し、剛性、取り代、狙い寸法を入力すれば最適な研削条件を自動で決定できる。これによりプログラムの作成時間を従来比4分の1に短縮。また、切り込みの感覚を手に伝える「ステアバイワイヤハンドル」をオプションで実装。これはステアリングメーカーとしての技術を応用したもので、世界初という。「ドライバーがハンドルから伝わる感覚で路面の状態を把握するように、研削盤でも1ミクロン台の精度を確実に実現する」(同社)。
 G3シリーズの共通性能として省エネも追求。インバータ付きの省エネ油圧ユニットを採用したほか、「スリープIN・ウェイクUP」機能を搭載した。昼休みや直間の電力消費を抑え、必要なタイミングで自動的にクーラントやといし軸をONにし、非加工時間の消費電力を最大75%削減する。
 G3シリーズの販売価格はタイプL1800万円(税込み)からで、最も価格の低いタイプG1200万円から、最も価格の高いタイプR3280万円から。

20221025日号掲載)