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ダイヘン、マルチマテリアル溶接に対応

(株)ダイヘン

シンクロ溶接次世代モデル発表

 ダイヘンは極低スパッタ溶接システム 「シンクロフィード溶接システム」の次世代モデル「シンクロフィード・エボリューション」を開発。2月より販売開始した。
 自動車の電動化が進む中、車体の軽量化により素材の薄板化や超ハイテン材、アルミの採用が増加しており、溶接にもマルチマテリアルへの対応が求められている。さらに構造の複雑化によって生じやすくなるスパッタを抑制した高品質な接合技術も必要とされる。
 こうしたニーズを受け同社が開発したシンクロフィード・エボリューションは50Aから450Aと幅広い電流域で極低スパッタを実現。一般的なアーク溶接に比べ最大で99%スパッタの発生を抑制する。
 新制御の「プッシュアークプロセス」は従来のシンクロフィード溶接からワイヤ送給周波数の向上と新たな波形制御を適用。従来の低スパッタ性能を維持しつつ、短いアーク長で溶融池を押し広げることで幅広いビードを形成し、耐継手裕度を向上させた。
 「ギャップ裕度と狙いずれ裕度が向上し、ワーク精度にばらつきがあっても安定した溶接を実現。自動車部品などで使用されるハイテン材においても、フラットで美しい幅広いビード形成を可能にする。亜鉛めっき鋼板においてはブローホールを低減。くびれ予測によるスパッタ抑制学習機能で 複数台同時溶接時のスパッタを大幅に抑制する」(同社)
 同じく新制御の「シンクロフィードパルス」は周波数とパルス期間を自在に調整でき、外観品質が要求されるバイクのアルミフレームなどにおいて美しいビード外観の形成を実現する。
 さらに水やガス、電力等の制御ケーブル類をコンポジット化。接続作業時間を従来モデルより95%短縮する。「新製品はコネクタ部を合わせてナットを締めるだけのワンアクションで接続できるので、経験の浅い方でもかんたん、確実な取り付けが可能。またワイヤの削れカスを自動排出するエアパージ機能を搭載し、ワイヤ送給部の清掃回数を90%削減、従来は週1度必要だった清掃を3カ月に1度に低減し、メンテナンス性を大幅に向上させた」(同社)。
 年間販売予定台数は1500台。メーカ希望小売価格は850万円(FD-B6セット価格・税別)。

2022310日号掲載)