日本物流新聞生産財と消費財の業界専門紙として半世紀を超す実績。
日本物流新聞社のWEBサイトでは、
ものづくりを支える工作機械、工具、ロボット、産業機器等の情報から、
ハウジングはじめ住まい・暮らしの様々なニュースをお届けしています。

検索

News

ピカコーポレイション、作業台「Danchi(ダンチ)」

(株)ピカコーポレイション

作業台「Danchi(ダンチ)」手すり高さ兼用、連結もできるので、現場のさまざまなシーンに活用できる。

豊富なラインアップが段違い

 ピカコーポレイションが昨年6月にリニューアル新発売した作業台「Danchi(ダンチ)」は、全147種という圧倒的ラインアップだ。4タイプの踏面仕様から現場にあったサイズと多彩なオプションを選択することが出来るため、従来の製品(FG)に比べ今まで以上に売り上げを伸ばしている。既存のユーザー層の深耕に加え新たな領域の開拓にも注力していく。
 商品部図師洋幸リーダーは「標準品のラインアップを段違いに増やしたことで、選択の幅が増え、より現場にマッチしたサイズや仕様を短納期でご提案出来るようになった」と自信を見せる。
 4種類から選べる踏面は、安定性に優れた標準タイプ(FGN:62種類)、防滑性に優れた縞板タイプ(FGC:62種類)のほか、新たに排水性と通気性に優れたグレーチングタイプ(FGR:20種類)、転倒や踏外しを軽減するくつ底キャッチャータイプ(FGK:3種類)を加えた全147種類。
 手すりも8種類を用意し、高さ900㍉と1100㍉の兼用で作業環境に合わせて変更できる。
 脚立の天板に乗ることは禁止されているが、現場レベルでは守られず事故につながることも多かった。近年は安全に作業できる「作業台」のニーズが高まっている。同社は今まで30種類ほどのFGを展開し、標準品で捉えきれない要望にはオーダーメイドで対応してきた。しかし、「オーダーメイドで培った顧客ニーズを踏まえた標準品のラインアップを増やし、ユーザー様にもっと使い勝手のいい提案ができないか」(同)と考えた。

■現場ニーズを幅広くカバー

 以前は、標準品で対応できないサイズについては特注品での対応を行なっていた。Danchi(ダンチ)では、オプション品の連結金具を用い連結することで作業スペースを広げることが出来るようになった。ほとんどの現場ニーズを作業台とオプション品でカバーできる。その他の細かい要望は従来通りオーダーメイドでフォローする。なお従来のFGも連結可能で互換性・継続性を持たせている。
 通常200㍉の踏面幅を250㍉と300㍉に広げた機種も準備し、踏外しの軽減にも取り組んだ。開発を担当した技術本部の阿部史日呼氏は「踏面幅を単純に広くすれば重くなり使い勝手が悪くなる。アルミを薄くすれば強度が下がるので高さが必要になる。相反する条件の中で最大限、軽くなるバランスを探り、一から設計を見直した」と話した。
 今回ラインアップに加わったグレーチングタイプには大きな期待がかかる。「水切れがいいので、食品工場での活用も期待できる。また通気性に優れている為、半導体関連での提案も活発化させたい」(図師氏)。
 今回のリニューアルでは一段製品のラインアップを特に強化した。社会情勢の変化で、現場に女性やシニアの作業者が増えた。「2030㌢の高さの作業台があれば、作業効率も上がるし、腰などの負担も軽減できる」(同)とする。男性作業者に合わせて設計された現場も多く、Danchi(ダンチ)で数十㌢作業位置を上げれば、負担軽減になり女性やシニアの活躍を後押しできる。
 迫る物流業界の「2024年問題」にもDanchi(ダンチ)やトラック昇降ステップなど多彩なラインアップで貢献する。また労働安全衛生規則が将来的に改正され2㌧以上のトラックにも「安全に昇降するための設備」が必要となれば、Danchi(ダンチ)の出番がさらに増えるとみる。
 Danchi(ダンチ)のセールスポイントであるラインアップの多さは、探すのが大変というウイークポイントにもなりうる。そこでITの力を借りた。特設サイトを開設しセミオーダー的ビジネスモデルを展開している。「特設サイトでは、踏面タイプ、天場の高さ、設置幅、設置奥行、手すりタイプから任意のサイズ・タイプを選択し検索できる機能を持たせた。そのうえで、デジタルカタログも用意し、わかりやすく提案していく」(商品部丸岡未和氏)と話した。

2023425日号掲載)