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大同興業「パイプ加工」に商機アリ

大同興業(株)

例年以上に売れているという「メガベンダーMG030」

 大同興業(寺田賢一郎社長)は9月、機械工具部門と溶接機部門を統合。新たに産業機器部としてスタートした。
 その狙いは両部門における同社機器ユーザーに向けて、一歩進んだ提案を積極的に行うところにある。同部門の岩井友和部門長はこう話す。
 「これまでも両部門のユーザーが重複しているケースが多々あり、溶接機器だけだったお客様からも機械工具に対するニーズは感じていましたし、その逆も然りです。そこで、それぞれの部門の営業が、溶接から機械工具まで様々な知識を身につけて、ユーザーの困りごとを解決していく方向にシフトしました」
 同社の直近の業況だが、やはりコロナ禍による影響は避けて通れなかったという。
 「私たちが扱っている商材は、やはりどてらい市のような展示即売会でお買い求めいただくケースが多々あり、展示会で多くの皆様にお会いできる機会が無くなってしまったのが痛かったですね。緊急事態宣言も解除されましたし、皆さんにお集まりいただける展示会が開かれることを心待ちにしています」
 一方で、コロナ禍の中でも例年以上に好調なセールスを記録しているのが、同社が取り扱うパイプベンディングマシーン「エルコリーナベンダー」シリーズだ。特に今年に入ってからは「メガベンダーMG030」、「トップベンダーTB60」といったハイエンドモデルの引き合いが強まっているという。
 「補助金の関係もあるのでしょうが、最大曲げ能力の高い製品が人気ですね。当社の扱うエルコリーナベンダーはいちばん大きな機種でも本体寸法68×37×91㌢ですので、既存設備との兼ね合いや設置スペースを気にせず導入できる点がユーザーに好評です」
 また曲げ加工のみならず、パイプ加工全体のニーズが高まりを見せている、と岩井部門長は見ている。
 「半導体やサニタリー、食品機械加工の新規ライン立ち上げなど、目下好調と言われている業種からの関連需要が増えているのを実感しています。当社取り扱いのパイプ切断機では、AXXAIR(アックスエアー)オービタルロータリー切断機が良く出ています」
 アックスエアー切断機はステンレス、炭素鋼等あらゆるパイプの高速切断が可能で、切断時のバリ発生を極力抑える。また直角精度に優れているため、切断面の加工無しでカット後すぐに溶接作業を行える点が現場で重宝されている。
 またアークスタッド溶接においては「場所を問わない確実な溶接」というニーズを受け「Visar」シリーズの問い合わせが増えている。「デジタル制御の採用で、ボルト径や材質を入力するだけで溶接条件が設定できる上、小型・軽量で作業者の負担が少ないことから幅広い業種からの引き合いを頂いている」(岩井部門長)という。

20211010日号掲載)