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エンシュウ、独SW社と戦略的協業

エンシュウ(株)

会見後、お互いの国の工芸品を交換する鈴木敦士社長COO(左)とSW社CEOのStefan Weber氏。鈴木氏は赤富士の七宝焼き(=写真)を、Weber氏は4スピンドルにちなんで4羽の鳩が並ぶ鳩時計を手渡した。

EV部品向け加工機 融通へ

 エンシュウは1018日、横形マシニングセンタ(MC)や製造ラインを製造するドイツのSchwabische Werkzeu gmaschinen GmbHSW社、グループで社員約1600人)とEV部品向け加工ソリューションについて協業すると、名古屋市で出展中のメカトロテックジャパン会場で発表した。立・横形のシングルスピンドルの小型MCメーカーであるエンシュウと、24本のスピンドルをもつ横形大型MCメーカーのSW社が協業することで、「大きな変革期を迎えている自動車業界のお客様の要望に幅広く応えられる」(エンシュウの鈴木敦士社長COO)と言う。
 両者の加工機は大きく異なるが、ともに四半世紀にわたり自動車部品向けに特化してきた共通点がある。SW社製MCの日本での納入実績はまだなく、協業によりまずはSW製機の日本での据付、サービス、パーツの供給をエンシュウが担う。時期をみてSW機の制御装置や油空圧機器をエンシュウが日本仕様にカスタマイズしたり営業販売を行う。
 エンシュウ製MCの欧州での販売は現状では汎用機が中心。日本でターンキーを組むと輸送費などがかかるためだ。だが鈴木社長は「今後、当社製ターンキーをSW社がインテグレーションして販売する可能性がある。当社はタイやベトナムに工場をもち、SW社はイタリアやアメリカに生産拠点をもつ。お互いの機械を場合によってはそれぞれの工場で一からつくれる可能性もある。そこまで視野に入れながらお付き合いしていきたい」と先を見据える。エンシュウはこの11月にはプロジェクトチーム(リーダー=山田博之上席執行役員CT)を立ち上げる。

20231110日号掲載)