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DMG森精機、後付け可能な切りくず分断機能

DMG森精機(株)

樹脂や純銅にも対応

 DMG森精機は、送り軸に振動を与えることで切りくずを分断する機能「チップブレーキング」を開発した。主軸回転と工具の送り軸方向への振動を同期させることで、非切削時間を設けて切りくずを細かく分断し、加工不良や機械の故障を防ぐ。価格は税抜き55万円からで、後付けにも対応。同社のターニングセンタ「NLXシリーズ」や複合加工機「NTXシリーズ」のほか、9月に発売予定の4軸複合加工機「NZXシリーズ」に搭載できる。
 機械加工では従来、加工時に発生する長くつながった切りくずがワークの精度不良や機械稼働率の低下を引き起こしていた。また特に切りくずが長くなりやすい被削材では、切削条件やチップブレーカの選定だけでは切りくずの分断が難しく、高圧クーラントを利用するなど費用や時間をかけた対策が必要だった。
 チップブレーキングは、切りくずが長くなりやすい樹脂や純銅、純アルミニウムでも切りくずの分断が可能。外径旋削に加え、溝入れや穴あけ、内径旋削など様々な加工法に対応する。主軸1回転あたりの振動回数を変更することで、切りくずの長さ調整も可能になる。
 プログラム作成は対話形式で簡単に実施でき、振動負荷を予測する機能を搭載したことで安全な切削条件を事前に確認することが可能。プログラム作成時間を80%短縮した実績もあるという。同社は「切りくずによる機械停止や加工不良が減り、自動化システムの導入も容易になる」としている。

2022810日号掲載)