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DMG森精機、同社最大の先端技術開発拠点

DMG森精機(株)

奈良商品開発センタ

奈良のポテンシャルに大きな期待

 DMG森精機は829日、同社最大のDX構築と先端技術の開発拠点となる、奈良商品開発センタ(奈良PDC)をメディアに向けて公開した。71日からの開設に伴い同施設を本社とし、147月に開設した東京グローバルヘッドクォータそれぞれを本社とする二本社体制を導入した。
 奈良PDCについて森雅彦取締役社長は「今後、今以上に工程集約が必要になることを見据えそのなかで必要とされる生産技術やプログラミング、AIといったものを奈良PDCで生み出していく。大学や、機械系の企業が多いこの場所で、新卒に限らず通年での中堅社員の採用、自身のオリジナルの技術を活かしたいシニア層の採用も積極的に行う」と人材雇用にも意欲的な姿勢を見せた。
 また、女子大学で日本初となる工学部を開設した奈良女子大学への支援を、奈良PDCで行うと発表。女性の技術者育成を目的として、同大学と3月に包括協定を締結しており、同社の機械で実習、実験を行える環境を整えた。
 立地に関して森社長は「JR奈良駅前の奈良PDCから大和郡山市ICに至るまでの旧国道24号線に、子会社のマグネスケール、サキコーポレーションを新設する。奈良事業所も位置する旧国道24号線を、奈良を代表するような通りにしようと奈良市長や大和郡山市長と話をしているところ。観光地でもある奈良は京都や大阪が近く、世界中からお客さんを呼ぶにも適している。雇用の面でも、関西出身の優秀な人材を引き込めるポテンシャルを秘めた土地だ」と創業地でもある奈良へのこだわりを語った。
 奈良PDC6階建てで、従業員数は約300人規模を予定している。1階は機械開発、2階は要素技術開発の実験センタとなっており、3~5階はオフィスフロア。6階はセミナールームやレストラン、カフェラウンジ、いつでもオンライン発信が可能なスタジオスペースがある。デザインは建築家隈研吾氏によるもの。
 森社長は「ひと目で分かるものをつくることで世間の評価が大きく変わると感じている。シンボリックで分かりやすく、資金が許す範囲で快適な場所をつくることが大切」と企業としての存在感をより高める姿勢を示した。

2022910日号掲載)