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ソディック、固形ゴム射出成形機を革新

エアトラップを大幅改善

 ソディックは「脱気機能付き熱硬化性ゴム射出成形機GL-LSR」(=写真)を38日に発売した。60㌧仕様の標準価格(税別)は1420万円、年間生産目標は10台。
 同社独自の新技術による「脱気機能付きスタッファボックス」を熱硬化性ゴム射出成形機「GL-LSRシリーズ」に搭載した。これにより、液状材料に比べ粘度の高い固形ゴム素材の射出成形で問題となっている「エアトラップ(金型内で空気が閉じ込められた状態)」を引き起こす空気をほぼ完全に除去できる。脱気工程と、射出成形機へ供給する圧送工程を、連続的に行うこともできる。高密度充填、加硫時間(硬化時間)の短縮、金型構造の簡素化、高含気率材料の使用が可能になり、さらに、成形品質の向上、サイクルタイム短縮、金型のコストダウンと工程能力アップ、材料ロス低減効果が期待できる。
 固形ゴム素材(ミラブル型ゴム)は、素材の中に多くの空気を含んでおり、粘度が高いため液状ゴム材のような脱泡処理ができない。空気を巻き込んだ材料は成形品でエアトラップを起こしやすく、これは金型内を脱気するだけでは解決することが難しい不良であり、固形ゴム素材の射出成形において長年の課題となっていた。
 同社では「GL-LSRシリーズはこれらの課題解決に役立つ。工業用ゴム製品の製造を革新する次世代の製品であり、材料ロス削減や不良品の低減により環境負荷を軽減させ、SDGsにも貢献できる」という。

2021325日号掲載)