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KMC、無線タグで稼働監視を簡単に

古い機械にも工事レスで設置

 製造業向けIoT/M2Mソリューションを手掛けるKMC(神奈川県川崎市高津区)は、無線稼働監視システム「稼働モニタリン」を発売した。主な設置対象は、プレス機、成形機、ダイカスト機などの生産設備と研削盤、旋盤等の工作機械。独自開発の高性能無線タグを用いており、配線工事不要で、既存の古い機械でも簡単に稼働状況のモニタリングを可能にする。
 同社の佐藤声喜社長は「中小製造業では生産機械の稼働率を把握し、生産性向上につなげたいというニーズが非常に強い。従来は、設備の制御装置やパトライト信号からのデータ取得などの方法があったが、特に既存の古い設備は工事や改造が伴い、高価になるためシステム導入は進んでいなかった」と言う。
 これらの課題解決を目指したのが、「稼働モニタリン」だ。無線式の子タグ(送信)を対象設備にポン付けし、親タグ(受信)をPCにセットすれば設置完了。配線工事や設備の改造が不要で、既存の古い生産設備にも簡単に導入できる。一式で税別48万円(親タグ1個、子タグ5個、PC表示ソフト)。中小でも導入しやすい価格帯に抑えた。21年度の販売目標は50セット。設備モニタリングシリーズの第一弾として位置付けており、サーモや保全のモニタリングシステムも企画中。
 子タグにはMEMS加速度/振動センサを内蔵しており、一定時間ごとの振動レベルを検知することで、対象設備の稼働中・段取中・停止の3段階の状態を判別できる。生産機械の加工動作が伴う機械であれば加速度センシングにより稼働把握が可能。プレス・成型機などの場合、金型稼働側に子タグを設置すれば、型の開閉のタイミングから稼働状態を検知可能だ。さらに、単発プレスなどの人の作業による生産に対しても、各モードに対してソフトウェアが自動判別し、データを取得できる(特許取得済み技術)。付属のPC表示ソフト「Σ軍師mini」を用いて設備ごとの稼働率を簡単に表示可能。折れ線グラフや表、帯チャートなどで過去の稼働データにまでさかのぼって分かりやすく表示できる。親タグ1個に対して5台の設備へのセンシングが可能。
 KMCでは、「設備稼働率を正確に把握することで、空き時間が有効活用できるのはもちろん、受注管理がしやすくなるので営業活動にもプラスが大きい。さらに、稼働モニタリンでは段取り時間など作業者による能力差も把握しやすく、スキルアップの目安にもつなげやすい」と言う。

2021530日号掲載)