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MF-TOKYO、4年ぶりリアル開催

コマツ産機のファイバーレーザー切断機「TWC510-1」。水中切断によって歩留まり改善などにも貢献する。

過去最大5ホールに2万8千人、水中切断や厚板全自動シャーも

 ファイバーレーザーを使った水中切断機や厚板対応をいっそう高めた全自動シャーリングなど業界初の鍛圧機械が、715日までの4日間、東京ビッグサイトで開かれたプレス・板金・フォーミング展「MF-TOKYO2023」で披露された。4年ぶりのリアル開催に233社・団体が出展(内部出展・共同出展を含めると270社・団体)。東4~8ホールの計5ホール使用は過去最大で、コロナ禍前の2019年展(延べ3113人)に比肩する28219人が訪れた。
 世界初となるファイバーレーザーを利用した水中切断機が登場した。コマツ産機が実演した「TWC510-1」で、ワークを水中に浸しながら切断するため加工時の熱がワークから逃げやすく、長尺ワークでもひずみが起こりにくい。デモンストレーションでは加工直後のワークに手を触れる様子に驚きの声が漏れた。(一社)日本溶接協会の安全に関する規格「WES9009-2」のヒューム管理濃度を集塵機レスで達成。これにより集塵機設置のスペース削減と電気使用量低減によるCO2排出量削減にも貢献する。
 レーザー加工機の躍進が目につく。ヤマザキマザックはファブリギアと呼ぶレーザー複合加工機の5代目にあたる「FG-400NEO」を出品。回転3軸制御(ヘッド2軸、チャック1軸)で板厚20㍉までの形鋼材を3次元切断するほか、M20ボルトのねじ切りもこなす。「M20レベルのタッピングができる複合加工機はほかにない。3次元自由曲面の切断は後工程の溶接がしやすくなる」と利点を話す。4代目から採用しているファイバーレーザーに、ワークに応じてビームを絞る機能を加えたことなどで省エネ性能も高めた。

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ヤマザキマザックのレーザー複合加工機「FG-400NEO」でレーザーで下穴をあけた後、M20のねじ切りをしたH形鋼(SS400、板厚6.0mm)

 澁谷工業はMF-TOKYO出展を機に発売した加工範囲4×8尺(1250×2550㍉)の2次元加工のファイバーレーザー加工機「SPF4125/SFX2000型」(出力2㌔ワット)を披露。5月のMEX金沢に出品したものより加工範囲を広げ、「ステンレスで6㍉、軟鋼で12㍉厚の加工に対応し、ステンレス0.1㍉厚の微細加工もできる」とカバー領域の広さを強調する。加工状況をリアルタイムで離れたところから見られるインサイドモニタリング機能を新たに付けた。

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澁谷工業のファイバーレーザー加工機「SPF4125/SFX2000型」で精密にくり抜いた板材

 全自動の厚板切断はどこまで進むのだろう。相澤鉄工所は業界初となる板厚9㍉切断(SS400)ができる全自動シャーリングシステム「ARS-1020D」を紹介。約13千万円の実機は今年1月に納入したため、工場で撮影した出荷直前のマシンを動画で紹介した。相澤邦充社長は「これまで全自動機で対応していた厚みは6㍉までだった。汎用機では13㍉まで切断できるのでそこまでは自動機でも能力アップしていきたい」と言う。

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相澤鉄工所の全自動シャーリングシステム「ARS-1020D」

2023725日号掲載)