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萩原工業×J&T環境、廃ブルーシートの水平リサイクルへ

 東京で1210日まで開催された環境展「エコプロ2021」では、脱プラがひとつの大きなテーマであった。会場では海洋プラスチック問題やCNF(セルロースナノファイバー)などが取り上げられた。
 そうした中でブルーシート国内最大手の萩原工業(岡山県倉敷市)は、これまで焼却処理されることが多かった廃ブルーシートを水平リサイクルする仕組みを紹介した。同社がこれまで行ってきたリサイクルは、カスケードリサイクル、つまり廃ブルーシートをパレットなどの低品質でも製品化可能なものへ再利用するものだ。しかし、今回の水平リサイクル「Re VALUE+」では廃ブルーシートを新たなブルーシートとして再生させることを試みる。同社が廃ブルーシートを回収し、提携先のJ&T環境が改質などの手を加えながらペレット化し、そのペレットを利用して萩原工業が再びブルーシートを製造する。現在、再生ブルーシートの試作品を生み出す段階までこぎつけている。これから地域の建築関係会社とも提携し、再生ブルーシートが使用に耐えるのか、使用済みブルーシートをうまく回収できるのかを検証する。
 今後の課題として、ブルーシートを使用する企業側に廃ブルーシートの回収に協力してもらう必要があり、様々なケースに対応できる簡便なシステム作りが欠かせない。「Re VALUE+」の利用者には、地域の工務店など比較的小さな会社も想定される。そのため利用者側に廃ブルーシート回収のために一手間かけるだけの動機や利便性が求められる。互いに winwinの関係を築くことが重要なポイントとなりそうだ。

20211225日号掲載)