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カシフジ、内覧会を創業110年式典兼ね盛大に

工場見学参加者は食い入るように機械を見ていた

歯車静粛性に低コスト・省力化提案

 カシフジは720日と21日、京都市南区の本社・工場で内覧会を実施し、両日で約120人が訪れた。製品の説明会、工場見学のほか創業110年の感謝の気持ちを込めた懇親会も行われた。
 内覧会で注目を集めたのは新機種の歯車面仕上げ盤「KGH250」、歯車面取盤「KD250C」、CNCホブ盤「KN81」(参考出品)だ。「歯切り後、焼き入れしてそのまま製品にしていたユーザー様も多くいたが、今はより静粛性の高い歯車が求められる。歯車研削盤ほどのコストは掛けられないが今より静かな歯車を欲するニーズにはハードホビングやKGH250など、さまざまなソリューションを提案していく」(尾崎博史営業部長)と話す。
 KGH250は歯車研削盤のように歯形や歯すじのコントロールはできないもののホブ切りで生じる多角形誤差や送りマークの除去、歯面粗さ向上が可能だ。同社のホーニングはねじ状の弾性砥石を歯車にかみ合わせ歯面間の面圧で加工する工法となる。「JIMTOF出展時はEV系の研削歯車を鏡面仕上げする量産ラインに組み込む自動化仕様を展示した。今回は少量多品種に適した仕様を展示した」(同)とする。
 KD250Cはバイトを使った『キツツキモーション』で段付きやボス付き歯車端面のバリ取りができるのが特徴。またカッターの旋回角度を自在にできるので、両端面の面取りのほか、ハスバ歯車の加工では従来機に比べ、きついネジレ角の歯車諸元も加工できる。面取り品質の向上と取り扱いの容易化、省人化に対応した機械を提案する。
 KN81はすでに実用化したフレージング加工装置に加えて、切削面取り装置を搭載できるオプションを開発した。従来からの焼入れ歯車のホブ切り仕上げなども1台の機械で対応、多品種加工にもフレキシブルな対応ができる。
 工場見学では長年の過酷な使用にも耐える同社ホブ盤のキモである匠の技によるキサゲ作業も見ることができた。
 懇親会の挨拶で樫藤剛司経営企画室室長は「自動車産業は100年に一度の変革期であり、加えてエネルギー高やコロナショックなどユーザー様の経営環境は不確実性が高まりニーズも多様化している。そこで製品開発ではお客様のニーズに幅広く対応できるように努めていく」とした。

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挨拶する樫藤剛司経営企画室室長

(2023年8月10日号掲載)