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ワルター、幅10ミリ超の標準対応可能に

重切削向け溝入れ工具

 ワルタージャパンは重切削溝入れ工具システム「UX」を発売した。切削幅10ミリを超える加工向けに開発した製品で、専用のホルダーとチップで構成している。これまで特殊品だった、12ミリ、19ミリ幅の溝入れ工具は今後標準品として供給する。
 チップ縦置きデザインを採用した。スクリュークランプに加えて、アキシャル方向に凹凸がはまりあう構造に設計。より安定した固定で、重切削加工でもチップのゆるみや脱落をなくした。
 UX向けに開発したチップブレーカーは、高い負荷から切刃部を保護するエッジチャンファーとポジブレーカーとの組み合わせが特徴。同社によれば、「低抵抗な切削アクションと良好な切りくず処理を、大きな溝入れ深さ、送り(0.2~0.6ミリ)で実現する」という。
 今回の発売に伴い、溝入れ工具の標準品の最大チップ幅が10ミリから19ミリに拡張した。配送センターに常時在庫し、1個から発注できる。対応可能な被削材は鉄と鋳物。ジェネレーターシャフトやタービンシャフトなどの大型発電機器部品、造船、一般部品の大物ワークにも「最適」とする。チップ材種は耐摩耗性を売りにしている「Tigertec Silver MT-CVD」を採用した。

2020515日号掲載)