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ダイヘン、AIで波形調整する溶接機

(株)ダイヘン

多言語、情報表示で使いやすく

 ダイヘンはAIによるパルス波形調整が可能な最上位溶接機「WelbeeⅡ」を発売した。フロントパネルの操作性を高め、多言語にも対応する。ラインナップとして、定格入力186kVA(出力電流範囲30~350A)、20.1kVA(同)、27.9kVA30~500A)の3機種を製品化した。
 豊富な情報を表示できるLCDパネルを採用した。使用頻度の高いボタンのみ表示し、さらにピクトグラム(絵文字)を基調としたデザインにすることで、誰でも直感的な操作を可能にした。溶接法やワイヤ材質といった溶接モードの情報だけでなく、内部機能の詳細やエラー発生時の対処法なども表示できる。
 パネルの表示内容は、同社ホームページから無償ダウンロードできるソフトウェアで言語の変更が可能。板厚と継手形状を選択するだけで、溶接条件を自動設定する「溶接ガイド機能」を搭載。溶接に不慣れな初心者、普段使用しない材料など、時間のかかる溶接条件調整作業の効率化を図った。
 常に安定した高速溶接を可能にするため、AIを活用した。「スマートパルス」は、独自開発したルールベース(あらかじめインプットされたルールに基づいて、推論や探索を行う手法)に従って、スパッタ発生状況を予測。パルス波形を最適な形に調整することで、「高速溶接でも安定した溶接でスパッタの少ないビードが得られる」という。
 対応する溶接法は、▽直流▽直流パルス▽直流ウェーブパルス▽MS―MIG▽直流TIG▽手溶接▽CBT―EX(直流低スパッタ/18.6kVA機以外)で、より焼けの少ない溶接ビードを追求した新ステンレスモードも搭載した。オプションとして、低スラグでも安定した高速溶接を実現するモードも用意している。半自動仕様10㍍セットの販売価格は税抜137万円から。3機種合計で年間2千台の販売を目指す。

20201225日号掲載)